
ロマチェンコVSリゴンドー
楽しみにしてたのに一方的な展開でロマチェンコが勝ったなぁ。
実力差がありすぎたのか?それともリゴンドーの衰え?
この試合よくわからないなぁ
この疑問に答えていきます。
✅本記事の内容
・リゴンドー・ロマチェンコの戦力分析 ・一方的にリゴンドーがやられた理由 ・二人の体重差・体格差がありすぎたのか ・リゴンドーの加齢による影響は? ・リゴンドーの手数が極端に少なかった ・ダッキングが低すぎることは反則か? ・ロマチェンコに勝つことが出来るのは誰だ!
こちらにてお送りいたします。
オリンピック2連覇同士の史上初の試合ということもあり、
試合前からどちらが勝つのか非常に注目を浴びていました。
しかし、蓋を開けてみればまさかの一方的展開。
さらにはリゴンドーが試合を途中で投げ出し、降参してしまったのです。
この事態を引き起こした原因は何だったのか?
この記事を書いている私はボクシング歴20年ほどのアラサー営業マン。
幼い頃から父親の影響でボクシングが好きになり、試合観戦は2000試合以上。
実戦経験はアマチュアボクシングで4年ほど。
20年以上、世界のボクシング界に関わってきたので非常に知識は豊富です。
この記事を読めばワシル・ロマチェンコVSギジェルモ・リゴンドー戦をどういう視点で見れば楽しめるのかわかります。
本記事ではここに焦点を当てて記載していきます。
・リゴンドー・ロマチェンコの戦力分析
※試合当時のデータです
・一方的にリゴンドーがやられた理由
ここからが本題です。
この試合は戦前の予想とは裏腹にロマチェンコが一方的に支配しましたが、
リゴンドーがここまでやられたことの私の結論は以下です。
✅ロマチェンコがリゴンドーの武器を全て殺して八方塞がりにさせたから一方的な試合になってしまった。
試合終了後の画像ですが、リゴンドーの顔を見て頂ければわかるのですが
顔に傷を負っているわけではありません。
通常のボクシングの試合では負けた選手の顔面は腫れ上がり、敗北感に満ちています。
しかし、リゴンドーの顔は腫れておらず
にもかかわらず完敗だったのです。
リゴンドーはロマチェンコの技術に負けて、一発もパンチが当たらない為負けました。
無力感の漂った試合後の顔が物語っています。
リゴンドーも歴戦の雄であり、オリンピック2連覇の超エリートボクサーですが
結果は何も出来なかった、、、というのが事実になります。
・二人の体重差・体格差がありすぎたのか
次に体格面の比較ですが、
✅9割は関係ない。しかし1割は関係ある。
と考察しています。
ロマチェンコの戦法はそもそも体格差を活かした戦い方ではありませんでした。
体格差を活かすなら、もっと押し合いに持ち込みロープ際での攻防になるのですが
そういった試合展開にはなりませんでした。
体格差を活かした試合で例えるなら
ロマチェンコが唯一敗北を喫したオルランド・サリド戦が参考になります。
体重超過をしたサリドはロマチェンコに対して体を密着させて、執拗なボディ攻め。
バッティング(頭突き)などラフな戦法を繰り返しました。
ただ、1割は体格差も関係があります。
何故なら、リゴンドーは初のスーパーフェザー級での試合だったからです。
普段はスーパーバンタム級と2階級下が主戦場になるので
適正体重では無かったことは間違いありません。
しかし、適正体重で無いからと言ってリゴンドーのスピードが鈍いという事は映像からは一切感じられませんでした。
つまり、体格差を活かした試合展開では無かったため体格はほぼ関係ありません。
・リゴンドーの加齢による影響は?
リゴンドーは当時36歳でした。加齢による影響は
✅全くないです。
その理由は、ロマチェンコ戦後もリゴンドーは戦い続けており
スーパーバンタム級に階級を戻したあとも、変わらず素晴らしいキレのあるパンチで
KOを量産しています。
つまり、加齢による肉体の衰えはリゴンドーに関して関係なかったようです。
・リゴンドーの手数が極端に少なかった
極端にリゴンドーのパンチが当たらなかったのは事実ですが、
手数もかなり少なかったです。
✅パンチは出さなかったのではなく出せなかった…
この試合のロマチェンコの戦法はこうです。
リゴンドーの最大の武器である左ストレートを貰わない為に
常に左にステップワークで回り、ポジション取りを徹底していた。
さらにガードの外や死角からパンチを的確に当てていた。
本来であれば、ロマチェンコが距離を詰めて入り込んできたところを迎え撃つように
カウンターを狙う戦法を取るリゴンドーですが、
ロマチェンコが入り込んでくることはなく中間距離でパンチを貰ってしまう悪循環に陥ってしまいました。
それゆえにリゴンドーは本来の自分のリズムで戦わせてもらえずに手が出なかったのです。
・ダッキングが低すぎることは反則か?
また、レフェリーにも再三注意を受けていましたが
リゴンドーの極端なダッキングが目に付きました。
✅一般的にはベルトラインより下のダッキングは反則ですが、リゴンドーはここまで低くダッキングせざるを得なかった。
なぜダッキングを頻発させていたのかというと、
それはリゴンドー必殺の左ストレートを当てるためです。
先ほど、リゴンドーの手が出なくて中間距離で負けていたとお伝えしましたが
ここでロマチェンコがジャブを突きながら距離を詰めてきます。
その時に、ダッキングをしてロマチェンコとの空間を作り左を打とうとしていました。
実際の試合を観るとリゴンドーの左はほとんど空を切っていましたが、なんとか打とうといていたことがわかります。
・ロマチェンコに勝つことが出来るのは誰だ!
ロマチェンコはこの試合後も連戦連勝を続け、
現在では世界ライト級の4団体を全て統一することを目的としています。
では、ロマチェンコに勝てる可能性のあるボクサーはいるのか?ということですが
✅現時点では誰も勝てない。ただ穴はありそう。
その理由は、ロマチェンコのファイトスタイルにあります。
ロマチェンコはデビュー当時から比べてかなりスタイルチェンジを施してきました。
一般の大衆受けするようにスタイルを意図的にKO狙いに変えています。
そうすることで、自分が真のパウンド・フォー・パウンドNO.1だと証明したいのだと思います。
ここに隙があります。
今のライト級という階級はロマチェンコ本人も言っていますが、
適性階級ではありません。
そうなると体格にハンデがある状態での戦いを強いられますので、相手の懐で戦うスタイルになります。
そこでパンチをもらう危険性があるという理屈ですが、
とはいえ正直、ロマチェンコの圧倒的なテクニックとディフェンススキルを持ってすれば
体格の差すらも克服すると思っているので、ロマチェンコが現時点で負けることは考えにくいです。
今後も素晴らしいボクシングIQで楽しい試合を見せてくれるはずです。
おわり
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