過去を振り返ると日本人のボクシング世界王者と言ったら一人いれば凄かったのに、
現代ではボクシングの世界王者が日本の歴史を見ても非常に多くなっています。
【日本人 ボクサー 世界チャンピオン】と検索すればわかりますが、山のように出てきますね…。
日本人のボクシング世界チャンピオンは2020年1月の段階で92名輩出されています。(男子)
今回はその中でも、幼少期からボクシングを20年以上観戦してきたぼくが日本人ボクサーの歴代最強『トップ5』を選出し、紹介します。
92名の内のトップ5なので本当はトップ20くらいにしようかと思いましたが、紹介する人数が増えるとそれだけ記憶にも留まらなくなるのでトップ5として解説します。
3分くらいで読み終わると思うので見ていきましょう!
・日本人ボクサー『トップ5』
1位:井上尚哉 2位:ファイティング原田 3位:具志堅用高 4位:内山高志 5位:輪島功一
上記の通りです。
1位:井上尚哉
ここは誰もが認める1位ですね。
元WBC世界ライトフライ級王者。
元WBO世界スーパーフライ級王者。
現WBAスーパー・IBF世界バンタム王者。世界3階級制覇王者。
戦績:19戦19勝16KO無敗
キャリアもさることながら、今回1位に選出したのは全てにおいて圧倒的なそのスキルです。
ハッキリ言って穴が無いです。
井上はパンチ力が注目されがちですが、実は技術的な部分が一番だと思います。
そもそも左のジャブが普通のボクサーよりかなり強いです。
相手にしてみたら左のジャブが嫌なので、そこを意識すると今度は右ストレートが来る。
かと思えば、ボディも打ってくる。
くっついてどうにかしようとすればアッパーが来る。
実際に井上選手とスパーリングをした選手が言っているのは「左ジャブが強くて
非常にやりづらく、すごく嫌な選手」だと言っておりました。
✅カウンターのタイミング ✅ステップ ✅ディフェンス ✅距離のとり方 ボクサーとしての技術一つ一つが最高峰。
2位:ファイティング原田
日本ボクシング界のレジェンドボクサーです。
元世界フライ級王者。
元世界バンタム級王者。世界2階級制覇王者。
戦績63戦56勝23KO7敗
井上尚弥選手が出てくる前だったら1位にランクしてもおかしくない選手です。
なぜなら、ファイティング原田が活躍していた時代というのは今とは比べものにならないくらい劣悪な環境だったからです。
17階級・主要4団体で計算上68人の世界王者が存在し得る現在と違い、
全8階級に各1人ずつ、たった8人しか居ない世界王者の1人に君臨していました。
またボクサーにとって重要な体調管理・体重調整も科学的知識に乏しかった時代でもあります。
それだけではなく、そもそも対戦相手の情報すら入ってきません。
今でこそTVや動画メディアの発展で情報が広く流通していますが、そんな事は一切出来ない時代です。
✅そんな時代にフライ・バンタム級の2階級制覇
特筆すべきキャリアに、バンタム級のオールタイム王者(全世代を通じてのその階級最強の王者)
に必ず選出されるエデル・ジョフレ(上の画像の左です)を倒していることです。
しかも、ボクサーには不利な体型である骨太体型で悪く言えばずんぐりむっくり。
体重が落ちにくい体質だったので毎回試合の度に10Kg〜15Kgの減量を強いられました。
さらに、今の世界戦は前日計量で試合まで1日回復の猶予が与えられるのに対して、当日軽量で3時間後には試合という状況でした。
ここまで苛酷な状況なので、現代のボクシング界とは比較したくても出来ない前提条件がそもそも違うという時代です。
ファイティング原田のスタイルはラッシュ戦法です。
1ラウンド~15ラウンドまで基本的にはこのラッシュ戦法で戦います。
ただ、当時の映像を見てみると左のジャブを効果的に使う巧さであったり
前後にステップを踏んで相手との距離を保ち、パンチを躱したりするのは非常に巧い選手でした。
3位:具志堅用高
元WBA世界Jrフライ級王者
日本人最長の世界王座連続13回防衛
日本ボクシング界のレジェンドの中で最も馴染み深い選手なのでご存知の方も多いと思います。
3位に選出した理由は、欠点がないことです。
今でいう井上尚弥選手と似たような感じですが、パンチがあってガードも高い、ステップワークもうまくてスピードもある。
このクラスとしては身長も高く、体格の利も活かせるということで、どんなスタイルの対戦相手であっても比較的安定して戦っていました。
✅最大の武器は威力のある左右のストレート系のパンチ
リズムよく繰り出されるジャブからのワンツー。続いてくっついてもフックやアッパー系のパンチも多彩でした。
また防御感も鋭く、とっさにダッキングやウィーピングで相手のビッグパンチを空振りさせていました。
これには具志堅が所属していた協栄ジムの故金平会長も「練習でも教えていない動きが試合でできるんだから凄い」と仰っていました。
また防衛戦の相手のレベルも非常に高く、長らく日本のエースとしてボクシング界を牽引していました。
4位:内山高志
元WBA世界スーパーフェザー級王者
世界王座連続11度防衛
戦績:27戦24勝20KO2敗1分け
内山高志の最も評価すべきポイントは
✅難関のスーパーフェザー級で11度の防衛記録を作ったことにあります。
しかもその内なんと9KO
スーパーフェザー級は日本人にとってはとても敷居が高い階級です。
なぜなら歴代の日本人世界王者が92人と冒頭に紹介しましたが、そのうちの約80%が軽量級です。
内山高志が活躍していたスーパーフェザー級は世界的にも層が厚く、競技人口も軽量級に比べてかなり多いです。
✅必殺パンチは右ストレート、最強の左リバーブロー
このパンチは鬼です(笑)
ぼくは以前、ワタナベジムで内山選手がスパーリングをしているのを見た事がありますが、左のリバーブローでゲロ吐かせてましたw
内山高志は30歳で世界王者となり、37歳で引退しています。
これだけ息の長い選手も珍しいです。
5位:輪島功一
元世界Jrミドル級王者
世界王座6度連続防衛
38戦31勝25KO6敗1分け
輪島功一さんは根性が本当にすごいです。
最初のタイトルを獲得した相手はイタリアのカルメロ・ボッシという選手ですが、この相手はオリンピック銀メダリスト。
その相手に写真のようなカエルパンチを繰り出します。
輪島功一の武器は
✅最強の闘志と相手のリズムを崩すことを常に考えたボクシングです。
Jrミドル級という中重量級において身長が約170㎝リーチも身長とどっこいどっこい。
体格面では他のJrミドル級世界ランカーとはお話になりません。
つまり、相手のリズムをどうにかして崩して自分のペースにするしかなかったのです。
さらにプロデビューが25歳と世界王者になる人間の中では断トツにデビューが遅すぎます。
・まとめ
以上、日本の歴代最強ボクサーをご紹介しました。
この他にも素晴らしいボクサーが日本には沢山いるのですが、
また次の機会にご紹介いたします(;’∀’)
少しでも参考になれば幸いでございます。
コメント